萩ジオパークの魅力


  萩には歴史という顔があります。 多くの観光客は歴史を求めて萩を訪れます。

歴史とは残された建物などの建造物、また紙などに記録された出来事です。

  大地にも刻まれた歴史があります。 多くの人々はそれを美しい風景と捉えたり、気づかないこともあります。 ジオパークは地球の歴史が刻んだ場所を保存し、考える場所です。


 萩ジオパークは萩市、阿武町、山口市阿東地区にまたがっており、四つの物語があります。


第一章  日本列島誕生前の話 (3千万年前〜1億年前)


長門峡
  この時代、日本列島はユーラシア大陸の一部でした。 萩ジパークのある地域も活発な火山活動が起こっていました。 佐々並カルデラなどの痕跡が残っています。

  この時代の火山活動で生じた火山噴出物(凝灰岩)を阿武川の流れを削りとり、深い渓谷を作っています。

 紅葉の季節、山口市側の道の駅「長門峡」から萩市側の「竜宮淵」まで遊歩道がとっており多くの観光客でにぎわいます。

 道の駅近くの「断層」や阿武川が萩市に向かう丁字川出会いや、長い年月をかけて小石が作った「甌穴」など観察してみtください。

第二章  日本海誕生の話(1200万年前〜2000万年前)

須佐ホルンフェルス
 日本列島誕生の時代です。 大陸プレートの下にもぐりこんだ海
洋プレートの力で日本列島が大陸から徐々に離れていきました。


  萩ジオパーク内でも新たな火山活動が始まりました。 

  写真の白い部分が、「砂岩」、黒い部分が「泥岩」です。 泥よ
りも砂のほうが粒が荒く、白い砂の部分が先に海底にたまりま
す。 その後、海が静かになるとゆっくりと泥がたまります。 この
ような自然活動が繰り返され白黒の美しい縞模様が生まれまし
た。


  マグマの活動が盛んになり、この地層はマグマの熱で焼かれ
て固い「ホルンフェルス」という石に変質したのです。


  その後、隆起し我々の前に姿を現しました。  昔、海の底だ
った証拠に貝の化石が隠れています。 ぜひ探してみてください。

第三章  阿武火山群の話(8000年前〜200万年前)

海に浮かぶ火山(萩大島)
 s200万年前から萩ジオパーク内で火山活動が始まりました。 数万年毎に火山が噴火しました。 火山の数は50数個に及びます。 阿武火山群の誕生です。

 萩の海岸から見ると平らな島が点在しています。 玄武岩質の流動性の溶岩
が流れ出し独特の景観を作り出しています。 写真は「大島」です。 漁業が盛んな島ですが、平らな部分は畑がひろがり、ブロッコリーなどの野菜栽培が盛んです。  海の中にも溶岩が広がり萩名物「瀬付きアジ」などの住処になっています。
山にある火山(畳が淵)
  写真は萩市弥冨地区にある「畳が淵」と呼ばれる場所です。

  阿武火山群の一つ「イラオ山」の噴火により流れ出した溶岩が冷えて6角形の敷石を敷き詰めたような景観を作りだしています。

 阿武火山群は50にも及びますが、それぞれが1回だけの噴火し、「単成火山」と呼ばれています。 一番新しい火山は8500万年前に噴火した、萩市の「笠山」です。  1年前より後に噴火した火山は活火山とよばれ、阿武火山群も活火山に分類されてい
ます。

 弥富地区では、ソバ作りが盛んで、土日には旧弥冨小学校で「手打ちソバ」も楽しめます。 柱状節理の絶景を見たあとはおいしいソバでもめしあがってください。

第四章  人々の話(現在〜弥生時代)


萩城跡と指月山
  毛利氏は阿武川の河口にできた三角州に城下町を築きました。 築城当時は自然堤防と日本海に面した砂丘に囲まれた湿地でした。 城は指月山の花こう岩で築かれ、城下町は三角州の砂丘部分に笠山の安山岩で建物の土台で築かれています。

 萩は三角州に出来た城下町を中心に、山間地の豊かな農産物、海の海産物に支えられ、発展し、近代日本を作り上げた人々を輩出しました。

 萩ジオツーリズム協会では「○○さんに会いにいこう」という企画で、萩の大地に住む人々を訪ねて、大地と人の繋がりを見つけるツアーを行っています。

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